パリ旅行記08 パリミュージアムパスを利用してオランジュリー美術館、オルセー美術館、サント・シャペル、そしてコンシェルジュリーをはしごした話。あと、ムーラン・ルージュを見に行った話。

2023/09/27

朝食にシューケットとブリオッシュ、バゲットにはエシレバターをたっぷりと塗って食べた。あと、蟠桃を気に入って毎日食べている。

今日はオランジュリー美術館(地図)へ行く。

チュイルリー庭園(地図)を抜けて美術館に行くことにしたので、美術館最寄りのコンコルド駅の一つ手前のTuileries駅(地図)で降りた。

ファッションウィークの最中だったこともあり、地上に出るとモデルの撮影が行われていた。彼女が動きを止める度に『ビタッ!!ビタッ!!』と効果音が聞こえて来そうなほどポージングが決まっていた。彼女の周りの空気が収斂するような、一瞬時が止まるような、そんなかっこよさがあった。

朝のチュイルリー庭園は穏やかで気持ちよく、噴水を囲むように設置されたベンチに座って新聞を読んだりのんびりしている人たちがいた。

オランジュリー美術館に到着。前回は長蛇の列に入館を断念したが、今回は10時30分の入館予約(公式)をしておいたのでスムーズに入ることができた。ちなみに、オランジュリー美術館はパリミュージアムパス(公式)で入館可能である。

この美術館の目玉はクロード・モネが描いた睡蓮の壁画の連作なのだが、入場制限がかかっているためそこまで混雑しておらず、ベンチに座って絵画を見る余裕があったので良かった。天井から自然光が取り込まれる造りになっているので、まるで緑豊かな公園の中で睡蓮を眺めているかのような、、、そこまでの没入感は起こらなかったのだが、ベンチに座って少し距離をとって絵画を眺めていると水面が光っているような、揺らいでいるかのような錯覚が起こって面白かった。

その日がまだ暗く静かな感じ
夕日が水面に反射している
水面がゆらいで映り込んだ青い空と白い雲が綺麗だった。
柳のせいか、なんとなくお堀感がある。
これは他の絵と比べて割と写実的だと思う。
地下階にはクロード・モネ以外の画家の作品も展示されていて、おれは印象派の画家たちの風景画が良いなと思った。
11時40分にオランジュリー美術館を出て、セーヌ川沿いをアレクサンドル3世橋(地図)まで歩いた。
橋に到着。

橋を渡って12時30分にオルセー美術館(地図)に到着。

入館予約なしでも並ぶ事なく入る事ができた。ちなみに、オルセー美術館もパリミュージアムパスで入館できる。 
館内は天井が高くてかっこいい。両脇に展示室がたくさんある。

オルセー美術館には印象派の画家の絵画がたくさん展示されていてとても良かった。今回のパリ旅行で訪れた中で一番のお気に入りの美術館になった。

ここでもクロード・モネの作品が。ロンドンの国会議事堂が描かれているらしいのだが、乳白色の色味がとても綺麗で、、入浴剤みたいで落ち着く。
ルノワール作「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」
絵から少し離れて眺めると、踊る人々に落ちた木漏れ日が光って見えてくる。
クロード・モネ作「日傘の女」
宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」の菜穂子さんみたい。
ジョルジュ・ロシュグロス作「Le Chevalier aux fleurs」
すごくファンタジー感がある。明るいし、甲冑に青空と草花が映り込んでいるのも綺麗。
ポール・ゴーギャン作「アレアレア」
フィンセント・ファン・ゴッホ作「ローヌ川の星月夜」 恋人はこの絵を気に入っていた様子。英語のタイトルが「Starry Night」というところも気に入ったポイントらしく、その後しばらくドラゲナイを口遊んでいた。
オディロン・ルドンの作品は西洋と東洋の雰囲気が溶け合っているような、カラフルな水墨画のような襖絵のような、不思議な印象を受けた。好き。
フランソワ・ポンポン作「シロクマ」
かわいい。
エクトール・ギマール作
オルセー美術館にはアール・ヌーヴォー様式の家具も展示されている。
オルセー美術館内にこのようなフォトスポットが用意されていたのだが、このカップルには「自分達が満足するまで絶対に順番を譲らないぞ」という強い意志を感じた。先ずは女性一人でポーズを変えながら何枚か撮り、次に男性が一人でこれまたポーズを変えながら何枚か撮り、最後に二人でポーズを変えながら何枚も撮り、、ってそれを眺めながらおれは『カップルで合計3枚くらい撮ってさっさと次の人たちに場所を譲ってあげたらいいのに』と思ったのだけれど、彼ら彼女らからしてみればおれのは全く相容れない考え方なのだろうなとも思う。『お互い様』や『譲り合い』の精神はおれが親その他からの教育で獲得、または植え付けられた考え方に過ぎないし、違う文化圏や環境で育った人達は別の行動原理を持っているのが当然なのだろう。
美術館内にあるカフェ。
おれが食べたレモンタルト(タルトシトロン)。結構酸っぱくてそれが美味しい。
恋人が頼んだフルーツサラダ(ソルベ乗せ)。しんどくなるほど甘かったらしい。

二人ともカフェノワゼットを飲んで合計25.40€(4,100円)だった。

15時25分に退館して美術館の地下にあるMusée d’Orsay駅(地図)からC線に乗りSaint-Michel Notre-Dame駅(地図)まで移動した。壁一面のステンドグラスで有名なサント・シャペル(地図)に行くためである。
サント・シャペルの入館予約はしていなかったので15時45分に列に並び、16時13分には入ることができた。
壁一面に嵌められたステンドグラスに光が透けて美しい。こじんまりとした礼拝堂で人が芋洗い状態だったので長居はしなかった。

この教会のすぐ隣にコンシェルジュリー(地図)という宮殿があり、パリミュージアムパスで入館可能だったのでせっかくだからと立ち寄った。せっかく購入したパリミュージアムパス、高かったので存分に使い倒したいのである。

誰も並んでいない入り口から16時43分に入館した。建物の中もほとんど人がいなかったので人気のある観光地ではないのだろう。ただ、ここはフランス革命時に牢獄として使われていたらしく、マリーアントワネットが収監されていた独房もあるため歴史的に重要な史跡なのだそうだ。

そんな暗い過去を持つ建物だが、ここ衛兵の間は天井が高くて綺麗。
部屋に戻って豚肉を焼いて食べた。デーツを焼いてみたら甘くて美味しかった。

仮眠をとり、ムーラン・ルージュ(公式)を見に行くために21時50分に出発。夜のメトロは歌い踊る人やアンプを使って爆音でギターの弾き語りをする人がいたりと、昼間とは違う雰囲気で少し怖かった。

我々は事前にVELTRA(公式)でチケットを予約購入(当日チケットオフィスでの発券が必要)しておいた。二人でドリンク(シャンパンボトル1本)込み、43,132円でだった。

到着(地図)。開演23時00分(開場22時30分)だったので22時20分にチケットオフィスで発券したのだが、その時既に入場待ちの列ができていたので少し早目に来て発券した方が良かったかも知れない。

おれたちはドレスコードを気にして襟のあるシャツにジャケットを羽織って行ったのだが、そこまで厳しくはない印象だった。ただ、綺麗目のおしゃれをして来ている人達が多い中、白Tシャツ膝丈ズボンにスニカーという出立の男性旅行客もいて、、、さすがにカジュアルが過ぎるとおれは思ったのだが、彼は無事入店できたのだろうか。

チケットには座席番号みたいなものは書かれておらず、場内スタッフが席まで案内してくれる。
会場内も真っ赤でかっこいい雰囲気。ちなみに、ショーは撮影禁止である。おれたちが通されたのは6人掛けのテーブルで、カナダ人夫妻とキューバから来たご婦人二人と相席だった。

ショーは本当に本当に本当に素晴らしかった。いろんなダンスを見る事ができてとにかく楽しかったが、おれのお気に入りは火の鳥(?)をイメージしたような真っ赤な衣装を纏って踊る演目で、まるでお尻が歩いているようだった。クレヨンしんちゃんもそうだが、お尻がフリフリと振られる様を見るだけでどうしてこんなにも可笑しいのだろう。

ところで、女性ダンサーの胸が基本丸出しである。おれはゲイなので女性の胸を見て「ヒトの身体って綺麗だな」とは思うものの性的な興奮を覚えるわけではないのだが、異性愛者の男性はどのような気持ちでこのたくさんの胸の躍動を眺めているのだろう。胸丸出しが当たり前の空間であれば、胸であっても『他者の視線を受けるのが普通』の顔や手足と同じで、単なる身体の一部として見ているのだろうか。

おれは『胸にも色々な形の胸があるんだなぁ』と、改めて考えると当たり前のことだけど、普段は思う機会のない感想を抱いた。

ダンス以外にも大道芸の演目があったりしてそれも楽しめた。

ショーが終わった後、相席した方々と口々に「素晴らしかった!」「最高のショーだったね!」と感想を述べ合い、相席できた一期一会に感謝を伝え合い、ハグや握手をした。おれにはハグをする習慣はないのだが『ハグでないと分かち合えない感動がある!』とその時は思ったのだ。それくらい楽しいショーだった。あと、みんなお酒のせいでテンションが高かったのである。

01時10分に建物を出たのだが、ウーバー(App Storeリンク)ですぐに車を拾う事ができた。

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