パリ旅行記04 パリミュージアムパスを利用してルーヴル美術館とポンピドゥー・センターをはしごした話。あと、ANONE(チェリモヤ)を食べた話。

2023/09/23

「一日に二つも美術館に行って楽しいのかね」とパリ在住の知人に言われたのだが『楽しい』とおれは思う。いや、美術館を満喫した時の気持ちを『楽しい』と形容することにそもそもの無理があるかも知れない。「美術館に行って楽しいか」と聞かれても『笑顔が溢れる』ような楽しさが味わえるわけではない。そりゃたまには『笑っちゃう程可笑しい』展示に出会すことがあるかも知れないが、そもそもそんな『楽しさ』を味わいたいがために美術館に行くのではない。おれが美術鑑賞で得られる感情は『静かな満足感』とでも言えばいいだろうか。

というか、知人の「1日に二つも美術館に行って楽しいのかね」発言はシンプルに「美術館はルーブルに行けば十分だろう。それよりもパリに来たからにはおしゃれなカフェに行きまくったら良いのに。」というものだったらしい。随分乱暴な意見だなぁとは思ったが、それを否定するつもりは毛頭ない。だって、パリのおしゃれなカフェにおれも行きたいから。行きまくりたいのだから。

そんなわけで、おれはこの日二つの美術館、ルーヴル美術館(地図)ポンピドゥー・センター(地図)を急ぎ足で見て回った。ルーヴル美術館は言わずもがな、レオナルドダヴィンチ作『モナリザ』を所蔵していることでも有名な巨大な美術館で、先の知人の発言「美術館はルーヴルを見れば十分」も納得せざるを得ない程の広大な展示スペースと収蔵品の多さを誇る。一方のポンピドゥー・センター(センターは複合施設でありおれが行ったのはセンター内にある国立近代美術館)は近現代美術コレクションに特化して所蔵、展示している美術館である。

ちなみに、この二つの美術館はパリミュージアムパス(公式)で入館可能である。

まずはルーヴル美術館。ガラスのピラミッド(地図)が美術館の入り口である。

我々はパリミュージアムパスを持っているのだが、ルーヴル美術館はそれとは別に入館予約が必須である。理由は、混みすぎているから。我々は公式サイトのパリミュージアムパスホルダー向けの項目から入館予約(日時指定)を行なった。

ところで、ルーヴル美術館以外の施設でも同様だが、入館予約者の待機列は『00分の列と30分の列』が別となっている場合が多く、並ぶ前に看板でどちらの列かを確かめておいた方が良い。

入館して先ずはモナリザの展示室に行ってみたのだが、

すごい人だかり。ただ、待っていれば順繰りに最前列まで辿り着けるようスタッフが誘導してくれるので、行儀良くしていれば良い。
『サモトラケのニケ』
中村あゆみを思い出したが、この像の翼は折れていない。
ジャック=ルイ・ダヴィッド作『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠』
後日ヴェルサイユ宮殿に同じ絵が飾ってあって「?」となった。
ポール・ドラローシュ作『若き殉教者』
おれはこの日、この絵に最も心惹かれた。

なお、ドラクロワ作『民衆を導く自由の女神』は修復中のため見ることができなかった。Dragon Ashのアルバム『Viva La Revolution』のジャケット写真の元ネタ、、見たかった。

尻、よりも腕が美しいと思った。その柔らかな曲線が。光を受けてうっすらと透けているのが。石なのに筋肉の凹凸が皮膚を纏っているようで、、美しい。これは誰の作品だったのだろう。メモをしていないのが悔やまれる。

ドゥノン翼を足早に駆け抜け、恋人は用事のため離脱。ここからは単独行動となった。

ルーヴル美術館が大混雑しているのは事実だが、芋洗い状態なのは『モナリザ』など有名な作品が展示してあるドゥノン翼と呼ばれる棟で、他の展示室の人混みはそれほどでもなく比較的ゆったりと見て回ることができた。

フェルメール作『天文学者』
絵画以外にも、このような金の透かし彫り(なのかな?)や、細かな彫金が施された懐中時計、マリーアントワネットの宝石箱など、素晴らしい工芸品の数々を見ることができる。
勝訴ストリップを思い出した。
ドラマ『ハートストッパー』で見覚えのあるマルリーの中庭。

全てを見ることはできないので、思い切って14時頃に退館した。ものすごいボリュームに圧倒され、初めてのルーヴルはなんてことは無かった、なんてことは無かった。大満喫できた。

美術館を出るとモール(地図)になっていて、フードコートもある。マクドナルドもある。そのモールに直結しているメトロ1号線に乗ってポンピドゥー・センターに向かった。

到着。入館待ちの列はなく、予約なしで入ることができた。
到着後、先ずはカフェで一休み。チーズケーキとカフェ・ノワゼットで9.3€(1,504円)

カフェ・ノワゼットはエスプレッソに牛乳を垂らした飲み物である。「カフェ・ノワゼット シルブプレ」と注文する自分が少しかっこいいかも知れない、パリにこなれているかも知れないと勘違いできるのでパリ滞在中に何杯も飲んだ。

さて、カフェで一休みして元気が出たので「Musée」という案内表示に従いエスカレーターで国立近代美術館に向かう。

マルク・シャガール『赤い屋根』
マルク・シャガール『エッフェル塔の新郎新婦』
雄鶏の目が可愛いし、背景の山羊も良い表情をしている。
カール=ヘニング・ペデルセン『海沿いの女性たち』
誰のデザインかメモするのを忘れてしまったが、キッチンが美術館に展示されているのが面白いと思って写真を撮った。あまりにも生活の中に溶け込んでいるというか、あるのが当たり前、この形が当たり前になっていると気づかないが、システムダイニングキッチンだって誰かの発明であり、願いや思いが込められたデザインの産物なんだよな。そう考えると面白い。
これも誰の作品だっけな、、ぷっくりとしたシールにできそうで可愛い。
これも誰の作品だっけな、、かわいいな。
これはモンドリアン!
テラスからは良い眺め。

今日は二つの美術館に行ったのだが、おれはポンピドゥー・センターの方が展示内容、館の雰囲気ともに好みだった。ルーヴル美術館は絵画だけでなく、彫刻、陶磁器、工芸品など美術品の種類も多い上に、展示品も膨大で、展示スペースも広大とちょっと疲れる。それに、せっかく見に行った『モナリザ』もひしめき合う人の熱気が凄まじくて『作品と対峙している感覚』を持てなかった。なお、ポンピドゥーの混雑具合はそれなりで作品を鑑賞する余裕があった。

17時半頃にポンピドゥー・センターを出る。

ユニクロ(地図)は賑わっていた。建物がお洒落で良い。
用事を終えた恋人とヴォージュ広場(地図)で合流。

セレクトショップのメルシー(地図)やブティックのメゾンキツネ(地図)を冷やかしつつ、近所のパン屋でバゲット1本、クロワッサン2個、パンオショコラ1個(合計5.20€:841円)を買って帰った。

食後に昨日マルシェで買ったANONE(チェリモヤ)を食べた。
皮を剥ぐと、果肉は白く大きめの種が入っている。

酸味は全くなく、若干ねっとりとする洋梨のようなドリアンのような舌触りで、甘い。不味くはないのだけど『美味しいからまた食べたい!』とは思わなかった。でも、何歳になっても生まれて初めて口にするものと出会えるので旅行はやっぱり楽しい。

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