清水寺とスタバ二寧坂ヤサカ茶屋店

清水寺に参拝したいと言って友人を誘い、連れ立って寺に向かった。

本堂の改修工事が終わってまだ数年しか経っておらず、まだ新しい木が雨に濡れて光る舞台は綺麗だった。

本堂に参った後、境内をぐるりと歩きながら音羽の滝に向かった。

おれは小学校の修学旅行でもこの場所を訪れており、滝の水は飲んでも良く、三筋に別れて落ちる滝の水にはそれぞれ違うご利益があると聞いた記憶があった。だのに今この場所を訪れてみると、そのような説明書きは見当たらない。清水寺の公式ホームページを見ても、そのような説明はない。

おかしい。

記憶違いだろうか。

そう思い

 音羽の滝 ご利益

で検索すると、異なるご利益があると説明するウェブサイトがいくつかヒットした。そこには滝を正面に見て、右から「延命長寿」「恋愛成就」「学業成就」のご利益があるという説明があった。

それを読んだおれは、

水源が同じなのにご利益が異なるのはおかしい。

不思議である。

異なるご利益が発生する原因として

①水を三筋に分ける樋にその神秘がある

②水に違いはなく、プラセボ効果が発生する

今考えうる仮説はこの二択しかなく、

そして樋はどれも同じような見た目である。

ならば今取りうる選択肢はプラセボ効果一択!

と判断して、

人の列が一番短い学業成就の滝で水を汲み、「健康で長生きできますように」と願をかけて飲んだ。

その後、音羽の滝から人がサッといなくなったので、ややこしいことをする必要はなかった。

順番待ちができるだけ発生しないようにとか思わず、飲みたい滝の水を飲めば良かった。

 

清水寺を後にした我々は、スタバに向かった。

おれの本当の目的地は清水寺ではなく、こちらである。

ここスターバックス京都二寧坂ヤサカ茶屋店は、日本家屋を改装した店舗で畳の部屋があるらしい。

洒落ているに違いない。

絶対に行きたいと思っていた。

雨の降るこのスタバは、しっとりとした風情が漂っていた。

そして、我々が行った日はすごく人が少なくてのんびりできた。

おれは、スタバはハレの日にしか飲まない。理由は、スタバは高価な飲み物だという認識だからである。

だから、せっかく旅行に来たからとか、久しぶりに友人と会うからとか、何かしら理由をつけないと買うことができない。そう友人に話すと、

「いや、普通に飲むでしょ」

と言われたので、

『こいつ、ブルジョアだな』と思った。

そう言えば、おれは自動販売機でペットボトルの水が売られ始めた頃、蛇口を捻れば飲める水を誰が買うのだろうかと思っていた。というか今でもそう思っているので、友人が外出先で気軽に水を買っているのを見ると、

『せめて味がついている液体を買ったら良いのに』

と思っている。

 

そう言えば、音羽の滝の水は無色透明で、口当たりが柔らい水であった。

ご利益があるのなら、無色透明無味の水であっても100円のお賽銭は惜しくない。

 

あと、せっかく外出したからという理由で茶寮都路里のパフェを食べた。

せっかくだから。

美味。