2022年9月7日
夜中、トイレに行くために目が覚めた。お腹を壊した。この旅初めての体調不良。昨日、残したくない一心で食べ切ったPang Chaの巨大かき氷が原因だろう。こんなことになるのなら無理をせずに残せばよかった。
おれがトイレに行く時に起こしてしまった恋人が「どうしたの?」と聞いてくる。ベッドに戻って「お腹を壊してしまった」と言い、恋人の手をとっておれの冷えたお腹にあてがうと「暑くて汗をかくから嫌」と言って手を引っ込められてしまった。
なんて薄情な奴なんだ。
今回のバンコク滞在中、恋人の下痢が長引いたことで旅程や行動範囲を変更したこともあったし、何より彼が体調不良で苦しんでいる間おれが散々介抱してきたというのに。いざ自分が回復しておれが体調不良になった途端にこの仕打ちだ。恋人は他人の体調不良につくづく鈍感であり、優しさを発揮できない未熟な人間である。
横になっても悔しさと切なさと心許なさとを感じている状態でなかなか寝付けずにいると、過去の出来事まで思い出されて怒りが再燃してきた。おれが以前、大腸検診を受けた時の話である。検査当日は車で病院に行く予定にしていたのだが、午後の検査時間までに自宅で大量の下剤を飲む必要があった。朝から不味い下剤を飲み、同量の水を飲み、トイレに行くという行動を何度も繰り返しているうちに体調が悪くなってきた。その日は恋人も家にいたので、昼前になってのっそりと起きてきた恋人に「気分が悪いから病院まで送ってくれないか?」と頼んだところ「自分で運転していくって言ってたから自分で行ってほしい、まだ眠たいから」と言って明らかに嫌そうな顔をし、結局送ってくれなかったことがあった。
他人の性格は変えられない。その通りだと思う。おれの性格だって他人から言われて直せない。そもそも直す必要があるのかと思ってしまうし「その性格変えた方が良い」なんて言われた日にはめちゃくちゃ好戦的な自分が顔を出す。このように、おれだって自分の性格に難ありだと思っているし、思いながらも直すことなんてできない。他人から言われた余計に意固地になるだけだ。分かってはいる。
でも、じゃあ、恋人の性格が『しんどい』時々『もうやっていけないかな』と思った時に、諦めるか、身を引くかの二択しかないのだろうか。
おれは未熟だから相手を諦めることも、自分をなだめることも上手にできない。
でもやっぱ、別れたいのかな。日本に帰ったら別れ話を切り出すしかないかな。と、悶々とした気分で朝を迎えた。
長かったバンコク滞在だったが、翌日の深夜便で日本に帰る。バンコク宿泊最後の夜はアロフト・バンコク・スクンビット11に決めた。






プールサイドに植えられた木に小鳥が遊びに来ていたりして、南国感があって素敵だった。
ホテルにはトゥクトゥクサービスがあり、ザ・ウェスティン グランデ スクンビットまで無料で送迎してくれる。

夜はウェスティンホテルまで送ってもらい、我々の行きつけであるターミナル21に入っているMKでタイスキを食べたが、やっぱ美味しかった。


アロフトへの復路も送迎サービスを利用できる。マリオットアプリのチャット機能で配車依頼ができるし、ウェスティンホテルの涼しいロビーでトゥクトゥクを待つことができるので、とても便利だなぁと思った。
プールで泳いだり美味しいタイスキを食べても、今朝方恋人に取られた薄情な態度のことで一日中モヤモヤが続いた。おれは恋人に望みすぎなのだろうか。体調不良の時くらい優しくして欲しい、気遣って欲しい。おれは恋人に対してそうしているのに、と思わずにはいられない。相手に優しくするのって無償じゃなければ価値がないのだろうか。確かにおれは恩着せがましいので恋人に対して色々と、甲斐甲斐しく世話を焼いてあげるたびに「ありがとうは?」と感謝の強要をしている。それっていけないことなのだろうか。
多分、あんま良くは、、、ないだろうな。ありがとうを強要されるのって、結構うざいから。