バンコク旅行記32 BTSとタクシーとボートを乗り継ぎ自力でクレット島に行った話。

2022年9月4日

昨夜の豪雨は凄まじかったが、朝起きると快晴だった。天気予報が終日晴れると教えてくれていたのでクレット島に行くことにした。バンコクの滞在予定は残りあと数日で、観光地らしい場所へ行くのはこれが最後かも知れない。恋人はまだ下痢の症状が続いていたので「無理をせず部屋で休んでいた方が良い」と勧めたのだが、「一緒に行く。一人だけ出かけるのはずるい」と言って譲らなかった。おれは先日した喧嘩をまだ引きずっていたし、クレット島は恋人の好みの観光地ではないと思っていたので一人で行きたいというのが本音だった。だが恋人が一緒に行きたいと言うのなら仕方がない。ちなみに恋人の最も好きな観光地はパリである。

薬局で購入した下痢止め。これは結構効いたらしい。

BTS NANA駅から40分程度かけてWat Phra Sri Mahathat駅まで移動した。そこからGrabかBoltで車を拾う予定だったが、あまりにも暑い日だったのでちょうど通りかかったタクシーに乗り込んだ。

運転手は全く英語を話さなかったが、Google マップアプリが現地の言葉で目的地を読み上げてくれたので問題なかった。ただ、運転手との運賃交渉が非常に面倒臭かった。タクシーメーターは既に動いていたのに、運転手が目的地を理解した途端に「400THB」と言って来た。おれが「メーターを使って欲しい」と言ったところ、運転手は「300THB」と言う。いや、値段交渉したいわけじゃないんだ。それからも運転手「250THB」おれ「メーター」というやり取りが続く。おれが「メーター!メーター!!メーター!」とメーターを指差しながら主張すると運転手はしばらく沈黙し「OK、、、200THB」と言う。いやいやマジで面倒臭いから。値段交渉に旅の醍醐味を感じる人もいるだろうが、おれは全然楽しくない。だからGrabやBoltなどの配車アプリを利用したいのだ。タクシーより少し割高でも、値段交渉がない方が良い。

交渉がまじで面倒だったので低い声で「、、、メーターで」と呟き沈黙を守ったところ、運転手も折れて「OK、メーター」と言った。

そんなやり取りはあったが運転手は無事目的地のワットサマンヌアまで送り届けてくれた。そしてメーターが示した運賃は105THB(430円)だった。400THBは吹っ掛け過ぎだろう。

この寺院の境内に船着場がある。時間帯によって運賃は異なるようだが、おれたちが行った昼時は一人3THB(13円:現金支払のみ)だった。

渡し船でクレット島に渡る。
傾いた仏塔。
細い道の両側に露店がある。
島の雰囲気
道幅は結構狭く、自転車に乗っている人も多い

島に到着した時点で恋人は滝のように汗をかき、呼吸も浅く、ハアハアいって苦しそうである。『だから言わんこっちゃない。部屋で留守番してくれてたら良かったのに』と思ったが、苦しそうな恋人にそんな事を言うわけにもいかず、まずはカフェかどこかで休もうという事になった。「あまりにもローカルなカフェだとお腹が心配である」と恋人が言うので、近代的なコンクリート造の建物に入った。

カレー待ちという店。のれんの文字はどこの国の言葉だろうか。

カレー屋があったので、肉うどんと牛丼カレーを注文した。合計250THB。うどんのつゆは『牛丼汁だく』のあの味だった。カレーはレトルトカレーの味だった。日本を恋しく思った。

牛丼味のうどん
日本のお米のカレーライス

それにしても暑い。下痢続きで体力が落ちている恋人には強い日差しが人一倍堪えるらしく、始終フラフライライラしていた。昼食後に立ち寄ったお寺でも、恋人を境内のベンチに座らせておれが一人で散策していると「暑い中で放置された」とイチャモンをつけてきた。こうなることが予見できていたから朝「部屋で待っていたら?」と勧めたのにと、おれの方もイライラする。

ちなみにこの寺の境内には屋根があるし、椅子も扇風機もあるので休憩にはちょうど良いと思う。

その後も恋人の駄々子はエスカレートして、暑くてもう歩けないと言うので入ったカフェも「観光客が多すぎて気が休まらないから嫌だ」と言う。どないせぇっちゅうねん。

それにしても昨晩の豪雨のせいだろう、床上浸水している店や民家が多数あった。

床上浸水で閉めていたカフェ。

rangnokというカフェに行こうとしたのだが、Google マップが示す道が水没していてカフェに行けなかった。カフェは見えているのに、、、と呆然としていると、地元の人が迂回路を教えてくれた。道を進むと船着場に到着し、船が迎えに来てくれて無事カフェまで送り届けてくれた。

渡し船でカフェへ。
カフェの外観。
広々とした店内で冷房もバッチリ効いている。
ブルーベーリーチーズケーキのタルト

一休みすると恋人が「もう帰りたい」と言う。おれはもう少し観光したかったが、大きな駄々子を連れて歩くのは限界だったので帰る事にした。カフェの対岸までボートが出ていて、片道20THBだった。

対岸に立ててあった看板

Grabで車を呼び、バンコクのNANA駅近くの宿まで330THB(1,385円:クレジットカード決済)だった。恋人はさすがに疲れたのだろう、車中でずっと寝ていた。おれは『身体がしんどいのに無理して来て、、、二人の雰囲気も悪くなる事は予想できただろうに、、、部屋で養生していてくれたら良かったのに』と悶々としてしまった。

晩ご飯はフードパンダで出前をとった。インド料理屋のノンベジのターリー(カレー三種類、パティ、米)とラッシー。全部で471THB(1,843円:クレジットカード決済)。ラッシーは発酵が進んでいて酸っぱい。ラッシーに酪が浮いていたのでおれはバターみたいで美味しいとと思ったが、恋人は期待していた物じゃないと言ってラッシーを残し、酪を全部捨てていた。

、、、おれは食べ物を粗末にする人間が嫌いである。捨てる前におれにくれればいいのに。でもまあ、あの時は食べ物を分け合うような雰囲気じゃなかったか。