バンコク旅行記31 おれと恋人のチグハグな性格と、トニータイマッサージでオイルマッサージを受けた話。

2022年9月3日

目が覚めても気持ちが晴れていない。その理由ははっきりしていて、昨晩の喧嘩を引きずっているからだ。おれは嫌な事、腹が立つ事があるとそれについてずっと考えてしまう性格で、一晩寝るとスッキリ忘れて「さぁ前向きになろう!」というタイプでは全然ない。気持ちの切り替えが下手というか、モヤモヤの原因を手放すことが苦手である。むしろモヤモヤの原因を後生大事と抱えては、それをいろんな角度から検める。自分が不機嫌になってしまった原因は何だったのだろうかと考えること自体は悪くないと思うが、おれの場合は考えることで心を鎮めていくのではなく、自身の正当性を確立すべく頭の中で屁理屈を捏ねまわすところが問題だと思う。だけど、問題だと認識していてもそう簡単には自分の性格を直すことができない。負の感情に次々と新たな薪を投下しては再燃させる無限ループをなかなか止められない。やれやれ。

対して恋人は一晩寝ると嫌な事を忘れるタイプである。恋人が不機嫌になる理由は、お腹が空いたとか、暑すぎる寒すぎるとか、ネットが遅いとかである。随分プリミティブな人なのである。だから、って、だからかどうかは分からないがおれたちが喧嘩をしても、喧嘩の原因や、喧嘩した事実すらも時間が経てば忘却の彼方である。一晩寝ると大体ケロリとしている。一番ひどかったのは喧嘩の最中に恋人が寝てしまったことがあった。これには驚いたし、呆れたし、さすがに笑った。さっきまでおれは怒っていたのに「おい!!」って笑いながら恋人をゆすり起こした。

結局のところ、まるで真逆のおれと恋人でもパズルのピースみたいに当てはめてみたらピッタリかも知れない、というお話である。今のところ。別れない限りは、恋人関係が終わるまでは、どんな不平不満を言ったところで単なるノロケ話である。

ただ、↑これは時間の経過によりおれの気持ちが落ち着いているから書いている文章なのであって、喧嘩をした翌日の朝、つまり9月3日当日の気持ちとしてはやはりどんよりと重苦しかった。おれがむっつりと押し黙っているのを恋人が見て「どうしてボーッとしているの?」と聞いてきたが、うまく答えられなかった。その時は『おれはもう、この人と一緒に居たくないのかも知れない。帰国したら別れ話を切り出すか。』と考えていたし、でもそれを口にするのは今ではないとも思っていたので、どうして黙っているのかと問われても、それにうまく返せずに黙っているしかなかった。

また、恋人の下痢は相変わらず続いていた。サムイ島からバンコクに戻ってきたので「どこかの病院で診てもらおう」と提案しても「嫌だ」と言う。そしておれは恋人のお世話に疲れていたので、恋人が嫌がるのならと無理に病院に連れていくこともしなかった。恋人は今日も部屋で静養すると言うので、恋人のために近所のスーパーでレンジで温めれば食べられるものを買って冷蔵庫に入れ、おれは一人で出かけた。

おれはバンコクに帰って来たら行きたい場所があった。マッサージである。疲れていたのだ。体力的にも精神的にも。もちろんサムイ島にもマッサージ店はあるのだが、バンコクには二大安マッサージ店がある。それが、トニータイマッサージメイマッサージである。(恋人によるネット調べ)

前回メイマッサージのホットオイルマッサージを体験したので、今回はトニータイマッサージでオイルマッサージを受けることにした。

店の前に掲げてある料金表。

店外の下駄箱に靴を入れ、店内でオイルマッサージを希望と伝える。施術者は男性と女性どちらがいいのかと聞かれたので男性を希望すると伝えた。少し待ってと言われたので1階のベンチに腰掛けて待ち、10分くらいで「準備ができたから」と2階に案内される。2階は大部屋でカーテンで仕切られていて薄暗くてちょっと怖い感じがしないでもないが、それはメイマッサージでも同じだったので、こういうものかと受け入れる。全裸になってバスタオルを掛けてもらい、マッサージ開始。施術者は小柄なおじさんで、とても丁寧にマッサージをしてくれた。前回の施術後に青痣ができてしまった教訓を生かし予めソフトな力加減でやって欲しいと伝えてあったので、ワシワシ揉まれることもなく、かといって撫でるだけというわけでもなく、絶妙な力加減で施術をしてくれた。

1時間のコースを依頼したが気つけば90分が過ぎていて、時間を掛けて丁寧に施術してくれたのには大満足だった。シンプルに次の客がいなかっただけかも知れないが。ただ、これでコース終了ですよねというタイミングで施術者のおじさんがおれの乳首を触って来たので「あ、それは必要ないですよ」みたいな感じで相手の手を優しく払ったら、おじさんも「ああ、そっかそっか、了解です」みたいな感じでサラッと引き下がり施術が終了した。

オイルを流すためにシャワーを使うか?と聞かれたが、オイルがベタベタする感じでもなかったのでシャワーを断り、バスタオルで丁寧に肌を拭って着替えをした。

1階に降りると温かいお茶をもらえたので、それを飲んで会計をした。1時間で270THB(1,104円:現金のみ)。チップは100THB渡した。サムイ島で日焼けした肌にオイルのトリートメント効果があったかな、とか呑気な気持ちで生ぬるい夕方のバンコクを歩く。

トニータイマッサージ店からターミナル21への近道

今日は久しぶりに大好きなピア21フードコートで晩ご飯を食べて帰ろう。

宿で留守番をしていた恋人にハーゲンダッツを買って帰る。日本では見かけないスイカイチゴ味。イチゴミルク感が強くてスイカは風味を感じる程度だったけど、恋人は「わりとスイカの味がする!」と喜んでいたので良かった。恋人の下痢はおそらく帰国するまで治らないだろう。バンコク滞在はあと数日。もう下痢を気にせず好きなものを飲み食いしたら良い。

夜中に雷鳴が轟いて豪雨の音で目が覚めた。バンコクの雨季は容赦ない。