バンコク旅行記23 メークローン鉄道市場に寄り道して自力でアンパワー水上マーケットに行ったものの、すごい土砂降りでマーケットが開催されていなかった話。

2022年8月26日

目が覚めると恋人がげっそりしていた。聞けば、朝まで下痢と嘔吐に悩まされベッドとトイレを何往復もしたのだそうだ。そういえば、今夜はやけにトイレに行くなと夢うつつには思っていた。恋人が腹を下した原因は、あれだ。フードコートで食べていた牡蠣オムレツだ。多分。

今日から一泊二日でアンパワー旅行を予定していたのだが、恋人の体調を考えるととても行けそうにない。

楽しみにしていたが、今回は仕方ないか。

結果、恋人を残して旅行はおれ一人で行くことにした。

自分でも思う。薄情だと。だけどこうも思う。おれが恋人の腹を治せるわけではないと。そして、一緒にいれば回復が早まるわけでもない。

ただ、薄情なおれが最大限できることとして、恋人が飲食できそうなものをコンビニで買い揃えて冷蔵庫に補充しておいた。

バンコクのセブンイレブンではポカリが買える。あと乳酸菌飲料の品揃えが異様に多く、今回はヤクルトを買った。他にも明治のヨーグルトも買える。旅先で体調不良になると、何となく普段慣れ親しんだ製品を購入したくなる。

正直なところ、長期の旅行でずっと同じ人間と行動を共にするのは結構疲れる。それは多分恋人も同じで、ストレスが溜まっていることが見て取れたので良い機会だったのかも知れない。

BTSエカマイ駅から徒歩圏内のバンコク東バスターミナルに来た。

ここからミニバンに乗ってメークローンまで行くのだが、ターミナル内の案内板がほとんどタイ語表記で、どこでチケットを買えば良いのか分からない。

辺りを見回していると、親切なタイ人男性が現れて、恐らくだが「どこに行きたいのか」と聞いてくれた。メークローンだと答えると、その男性がチケット売り場に案内してくれた。チケットを購入すると、その男性がミニバン乗り場まで案内してくれ、そしてそのまま運転席に座った。運転手だった。ミニバンは定刻の10時55分に出発した。

チケット。片道100THB(409円)
ミニバンの車内はこんな感じ。

ミニバンは12時15分にメークローンに到着した。

ミニバンはバスターミナルではなくて、街中で降ろされる。

すぐに別の乗合バスに乗ってアンパワーに行くので、この街の滞在時間は短い。なのでメークローン鉄道市場の観光は少しだけにした。ただ、電車が到着(又は発車)する時間帯ではなかったので、あまり活気がない印象を受けた。あと、はちゃめちゃにでかいネズミがうろついていたのでちょっと怖かった。

メークローン駅
これは2022年8月26日現在の時刻表。
電車が来ない間はレールの上にまで店舗(の商品)がはみ出している。

メークローンのバスターミナルに移動して、アンパワー水上マーケット行きの乗合バスのチケットを購入した。チケットは10THB(41円)。

このターミナルにはトイレ(有料)がある。だが、非常に汚い。
この乗合バス、というかトラックの荷台に乗ってアンパワーへ。

アンパワーに到着すると同時に雨が土砂降りに。コロナの影響で観光客が少ないからか、今降っている雨のせいか、開いている店は少ない。ちなみに、公式ホームページでは金、土、日曜はマーケットが開催されることになっている。ホテル(バーンラック アムパワーというホテルに宿泊した)のチェックイン時にフロントで、アンパワーに来た目的の一つである蛍鑑賞のボートツアーを申し込みたいと伝えると、「雨が降っているから蛍ツアーは中止かも知れない」と言われる。体調不良の恋人を宿に残してまで来たのに。無念。

ホテルにチェックインした際、マーケットはこの辺りが活気があっておすすめだよ、と教えてくれた場所。豪雨すぎる。店は全て閉まっている。

雨の勢いが少し弱まった頃、今まさに出発しそうなツアーボートがあった。乗るか?と聞かれたので40THB(164円)を渡して乗り込む。ボートで近場を巡る30分程度のツアーだった。岸に見えるお寺の説明をしてくれていたのだが、タイ語だったのでおれには理解できなかった。

メークローン川を北上したり南下したりする。
雨と川の水で普通に服が濡れた。

船を降りた後、お寺巡りのボートツアーはやっていないのか?とスタッフに尋ねると「16時を過ぎたらお寺が閉まるので、やらない。明日来てくれ。」と言われた。

市場で数店舗開いているレストランのうちの一つに入ったが、外国人観光客の値段設定な気がする。

蟹の身入りチャーハン60THB(246円)
仙草ゼリー40THB(164円)。バンコクのピア21なら25THB(103円)で飲める。
すり身団子入り春雨スープ。60THB(246円)。これは美味しかった。

ホテルに戻って、運河沿いのテラスで紅茶を飲む。本降りから小雨に変わったし、蛍ツアーが開催される可能性はあるか?とスタッフに尋ねるも「今日はボートは出ない」と告げられて悲しい気持ちになった。体調不良の恋人を一人残してまで来たのに。

でも仕方ないと思って自室に引き上げるや否や、スタッフが部屋までやって来て「今からホタル鑑賞のボートが出ますよ」と教えてくれた。やった!体調不良の恋人を独り寂しくバンコクに置いてまで来たかいがあった。

ホテルのテラスに横付けされたボートに乗り込み、ツアーに出発。

ボートから眺める市場。

メークローン川を北上すると街灯が少なくなり、あたりが真っ暗になると蛍が一斉に光り始めた。日本の蛍と違って明滅の間隔が短く、チカチカと光っている。大きな木が下から上まで蛍の光で埋め尽くされていて、光量は少ないけれど、みんな競うように一斉に光っていて綺麗だった。ときどき群れから逸れた蛍がボートまで飛んできて、これもまた綺麗だった。

全部で一時間くらいのツアーで、ボートはホテルのテラスまで送ってくれ、降りるときに船頭さんに60THB(246円)を支払った。

運河に面したホテルのテラスにボートを横付けして、客を送り迎えする。

部屋に戻ってシャワーを浴び、満ち足りた気分でベッドに寝転ぶ。

ふぅ。

体調不良の恋人をバンコクに残して来た罪悪感がないわけではないが、蛍も見られたし、良い日だった。と、今日の総括をしていたところ、近くの建物から低音をガンガンに響かせた音楽が大音量で聞こえてきてとても寝られやしない。この音量は多分個人宅にあるスピーカーのレベルじゃない。おれが昔持っていたMDコンポではこんな音量は出せない。ライブハウス並に音がでかい。今夜が華金(花の金曜。死語)だから騒いでいるのだろうか。めちゃくちゃうるさい。刃傷沙汰に発展してもおかしくないレベルでうるさい。

しかし、おれの大好きなAirPods Proを両耳にはめるとあら不思議。問題なく眠ることができた。ノイズキャンセリング機能がこの世にあって良かった。いらぬ血が流れずにすんだ。