バンコク旅行記16 キャッシングのレートの悪さにショックを受けつつ、バンコク国立博物館に行った話。

2022年8月21日

昨晩、露店でポメロを買った。ポメロはでっかい柑橘で、和名はザボンという。ポメロはタイで食べたいと思っていた果物のうちの一つだ。果肉が赤いものと白いものが売られていたので、店員にどちらが美味しいのかと聞くと、赤い方が美味しいと教えてくれた。でも、せっかくなら二つとも食べ比べてみたいと思い、赤と白の両方の実が入っているパックを購入した。『じゃあ聞くなよ』と店員は思ったかも知れない。ちなみに、赤い実の方が若干高価である。

そのポメロ、美味い。甘味がしつこくない。ベタつかない。ほのかな酸味がちょうど良い。ボリュームもある。ちなみに、店員の教えてくれた通り、赤い実の方が甘みが強くて美味しかった。白い方は味が薄く、これはこれで美味しいが赤い方が果物感が強い。

ポメロ 100THB (389円)

手持ちの現金(THB)が少なくなったので、ターミナル21の5階に設置されているATMでキャッシングをした。

40,666円で10,000THBを購入して、ATM海外キャッシング利用手数料220円が掛かったので、

1THB=(40,666円+220円)÷10,000=4.0886円

レートが悪くて悲しい。

このレートの悪さには原因があるらしい。先にこのサイトを見ておけば良かった。痛恨のミス。※以後、旅行記ではこのレートで金額の表示を行う。

午後はバンコク国立博物館へ行った。

MRTのSanam Chai駅から徒歩で向かった。この日は若干曇っていたが、30分近い徒歩移動はさすがに疲れた。恋人はすぐにタクシーに乗りたがるのだが、おれはいつも運賃をケチって「歩こう」と言ってしまう。タクシーで体力を温存して目的地に到着した方が、観光を楽しめると分かってはいる。ただ、異国の地をふらふらと歩くだけでもおれは十分に楽しいし、疲れるのも海外旅行の楽しみの一つであるとも思っている。

こんな考え方になった原因の一つとして、おれは若い頃猿岩石に強烈な憧れを抱いていたことが挙げられるかも知れない。その憧れを胸に抱いたまま大人になったので、初めての海外旅行は東南アジアのバックパック旅行だった。そして、旅行中はとにかくお金をケチった。けちりまくった。水シャワーしかない、トイレは共用が当たり前の安宿に泊まり、ローカルのバスや電車で移動し、海外旅行客向けのレストランやカフェには入らず、現地の人々が集う食堂でご飯を食べた。そして腹を下すなどした。夢にまで見た猿岩石ライクな旅。満足だった。

おれの海外旅行の基準は猿岩石なので、『海外旅行先で一番好きなのはパリ』な恋人とは、楽しみ方が結構違う。これを書いていると改めて気づくのだが、おれは恋人に、おれの楽しみ方を無理強いしている。よくない。

国立博物館の入館料は200THB(818円)で、クレジットカード払い不可だった。敷地はかなり広く、展示品の数は膨大である。

2.Buddhisawan Chapel(2号館)では、僧侶が読経していて、信徒達が五体投地をして熱心に仏様を拝んでいたので、ここは博物館として開放されてはいるけれど生きた信仰の場なのだと感じた。また、お坊さんの後ろに座っていた男性が、スマホでお経の動画を再生しながら経を唱えるなどしていたので『今時だなぁ』と思った。

経本ではなくスマホを持って唱えるお経は何だかありがたくない、とおれは感じるけど、この感覚も過去のものになっていくのかも知れない。そもそも、お経を唱える時に大切にしなければならないことってなんだろう。”信心”と”声に出す”の二つが大切ということであれば、経が紙に印刷されていても、液晶に表示されていても、どちらでも構わない。なんなら、印刷技術が広まった頃にも、『印刷された経なんてありがたくない』という意見があったかも知れない。

2.Buddhisawan Chapel(2号館)の中

4.Maha Surasinghanat Building(4号館)には仏教やヒンズー教の仏や神様の像が所狭しと展示されていて、おれはこの棟の展示が一番楽しかった。狛犬風の神(?)がダンスをしている(ように見受けられる)像があったので、恋人が像と同じポーズをしている写真を撮っていたところ、巡回していた職員に「消しなさい」と注意を受けた。ここに展示されているのは神仏であるので、失礼な振る舞いをしてはいけないという理由だそうだ。つい先ほど『博物館といえども生きた信仰の場である』とか思ったくせに、行動が伴っていなかった。恋人共々、反省した。

なんだか陽気に見える石像

それにしても、この博物館はとにかく広く、展示が多く、ベンチが少なく、疲れる。

5号館の裏手にカフェがあったので、そこで一息ついた。タイミルクティーはどこで飲んでも美味しい。この土地の気候にぴったりとあった飲み物だと思う。

居心地が良かったカフェ。店員さんがピースしてくれた。

閉館までに全てを見切ることができず建物を後にしたのだが、

博物館の出口で警備員が話しかけてきて、「展示はどうだったか?」とか「どこから来たんだ?」とか、そんな事を話した。そんなやりとりをしている間にも空が暗くなって今にも雨が降り出しそうだったので、警備員のおじさんに「もう宿に帰ります」と告げたら、彼は地図を取り出し、「近くにとても良い観光地があるので是非とも行った方がいい。そこに行くにはバスが不便なので、私がそこに停まっているトゥクトゥクの運転手と話をつけてあげよう」と言い始め、そこでようやく『トゥクトゥク運転手のさしがねか?』と思い、話を切り上げた。まぁ、思ったところでそれを確認する術もないし、ただの話好きの世話好きおじさんであった可能性もある。でも雨が降りそうだから帰ると言っている人に、屋外の観光地を勧めなくても良いのに。

バス停に向かう途中に雨が降り始め、バスに乗る前に土砂降りになって、我々もずぶ濡れになった。恋人は雨に濡れるのが大嫌いなので、宿に帰るまで不機嫌だった。雨だけじゃなく、警備員のおじさんに対しても腹を立てていたのかも知れない。

おれは旅先で雨に降られても、そんなこともあるよね程度にしか思わない。それもこれも旅行の基準が猿岩石だからかも知れない。外国にいるのだから、思い通りには行かないものだ。

スコールでずぶ濡れになった