2022年8月19日
朝はTom n Toms Coffeeでサンドイッチを食べた。
シャキシャキの玉ねぎが甘くて美味しい。サクッとトーストされたパンがほのかに甘くて美味しい。カフェラテもコーヒーの苦味の中に牛乳の甘味が感じられて美味しい。ここのサンドイッチは本当に美味しい。200THB(788円:クレジットカード決済)

おれは爬虫類が苦手である。陽ざしを受けて濡れたように光る鱗が苦手である。黒く濡れたように輝く小さな瞳も苦手である。怖い。背筋が凍える感じがする。シンプルに蛇が怖いし、そして、トカゲも苦手である。
ところが、おれの恋人はトカゲが好きである。
全てのトカゲが好きなわけではないが、とりわけ、恋人はエリマキトカゲが好きなのだそうだ。エリマキトカゲが後脚で直立し、トテトテ走る姿がカワイイと言う。おれも映像でその様を見たことがあるが、短い足で懸命に走る様は少し滑稽で、確かに可愛らしいと思う。でも、だからと言って、わざわざ爬虫類を見たくはない。
トカゲが好きな恋人は、ルンピニ公園に生息しているミズオオトカゲを見に行きたいと言う。ちなみにおれは、見たくない。
お互いのやりたいこと、見たいものが異なるのなら別行動を取れば良いのだけれど、日本に居たら大きなトカゲを見る機会は滅多にないし、せっかくなので野良のデカイトカゲを見てみたいという好奇心もあったので、おれも恋人と一緒にルンピニ公園に行くことにした。
BTSであればSala Daeng駅が最寄りだったので、そこから徒歩で公園に向かったのだが入り口が見当たらず、Ratchadamriゲートまで10分以上歩くハメになった。蒸し暑いバンコクの昼下がりの徒歩移動はかなりしんどい。MRTのSi Lom駅には公園内に直接出られる出口があったので、そちらから行けば良かったと後悔した。
何はともあれ公園に到着した我々はトカゲを探した。恋人がネットで仕入れた情報によれば、この公園に来れば確実にミズオオトカゲに会えるらしい。恋人はワクワクしていた。おれは会えても会えなくても良かった。
我々が到着したRatchadamriゲート付近にミズオオトカゲの姿はなく、水辺を歩いてもその姿は発見できなかった。恋人はわりと諦めやすい性格をしているので、『ガセ情報だったのかもしれない。それに駅からこの公園までの徒歩移動はすごく疲れた。もう帰りたい』と言い始めた。恋人は諦めやすく、疲れやすい。
おれはせっかく来たのなら、もう少し粘りたいという性格である。転んでもただでは起きたくない。転ばなくても何か欲しい。何かくれ。そんな性格である。
その昔、恋人と尾道を旅行した。桜が綺麗な季節だった。頂上まであと少しの場所に雰囲気の良い喫茶店があったのでそこで一休みをした際、恋人は「もう頂上に行かなくても良い。尾道のことは大体分かった。頂上から見える風景とかも大体このカフェから見る景色と変わらないと思う。結構疲れたのでもう下山したい。」と言った。
おれは『そんな馬鹿な』と思った。せっかくここまで登ったのだから、頂上からの景色を眺めずに下山するなんて勿体ない。それに、疲れたから下山すると言うのであれば頂上まで登り切ってロープウェイで降りた方が体力的に楽だろう。そのように恋人を説得すると、ロープウェイでの下山という提案に得心が行ったのか、無事二人で頂上まで登ることができた。
話は逸れたが、ルンピニ公園にてトカゲを見るという今日の予定の発起人は恋人である。おれは一応付き合いで来ていると思っている。しかし、トカゲを見たかった恋人の心はすでに折れているため、トカゲをそんなに見たいと思っていないおれが恋人を励ましながら、トカゲを探し歩く羽目になった。
公園内の大きな池に橋で渡れる島があったので、そこに行ってみると、いた。
でっかいミズオオトカゲがいた。
小さいのもいた。
水辺でじっとしているのも、池をスイスイと泳いでいるのもいた。
恋人のテンションは一気に回復し、ミズオオトカゲの写真を撮りまくっていた。「野生動物だから驚かせないように遠くからズームして写真を撮るんだよ」と意気揚々に講釈を垂れてくれたが、おれはそもそもトカゲに近づきたくないのでその注意は全く不要である。
ミズオオトカゲは近くで見ると案外と可愛く、ルンピニ公園を去る頃にはおれの爬虫類嫌いも克服されていて、
なんてことはなく、やはりトカゲは苦手なままだった。
でも、ミズオオトカゲは本当に大人しく、ずっとじっとしていた。全くの無害であった。



念願のミズオオトカゲを近くで観察できてホクホクしている恋人と、コリアンタウンにある焼肉の食べ放題に行った。
一人359THB(1,396円:クレジットカード決済不可)ちなみに、月曜〜木曜の11時〜15時は一人299THB。
週末の夜は大行列ができていたこの店であるが、15時過ぎの店内は空いていた。
肉や野菜を自分で皿に盛り、自席で焼くスタイルである。水やお茶も自由に飲んで良い。韓国料理の惣菜もあった。とにかく肉をお腹いっぱい食べることができて大満足だった。


