バンコク旅行記11 タイっぽいってどーゆーこと?サイアム博物館

2022年8月17日(水曜)

ワット・ポーからMRT Sanam Chai駅への道すがら、サイアム博物館の看板が目に入ったので立ち寄ってみた。

入場料は大人一人100THB(389円)だった。また、無料の音声ガイドは日本語に対応していた。音声ガイドは代表者一名がメモに氏名、滞在先、携帯電話番号を記入し、パスポートを係員に預けると貸してくれる。ロッカーも無料で貸してくれるので、手ぶらで館内を歩くことができる。パスポートは音声ガイドを返却する際に返してくれる。

この館は『タイらしいってどういうこと?』を来館者に考えてもらうというコンセプトで展示がされていて、とても興味深かった。音声ガイドによると、タイの原点は港町であり、そこに寄港する中国、インド、日本、アユタヤ、クメールなど、とにかく色々な国の様々な文化が長い時間を掛けてミックスされていって今日のタイを成しているのだそうだ。またある対象が「これはタイ的なものなのだろうか」という疑問が生じた際には、タイ王室との関係性の深さによりそれがタイ的か否かが定義されていくという説明があり、とても面白かった。

日本に暮らしていると、『これは日本的だな』と思う機会がそもそも少ないと思う。だから、日本的なものをわざわざ定期付けする動機も生まれ辛い。バンコクは様々な文化背景を持っている人が街中に溢れているので、『これってタイっぽいのかな?』という疑問や話題が、もしかしたら日常生活の中に存在するのかも知れない。

ここの展示でおれが一番面白いなと思ったのは、一室に衣服が沢山並べられ、『あなたはどの衣装がタイっぽいと思い、どの衣装がタイっぽくないと思いますか?』と来館者に問いかける展示である。どの服もタイで見られる衣装である。でも、『うわ〜強烈にタイっぽさを感じる〜』と思う衣装もあれば、『タイっぽいけど、、、中国風な気がする。いや、ベトナムっぽい?』と思う衣装もある。ちなみに、究極にタイっぽい衣装としてタイ王室の正装などが展示されていた。また、究極にタイっぽくない、西洋の衣装の代表格としてマクドナルドのドナルド・マクドナルドのマネキンが置かれていた。

衣装以外にも、食べ物においても「タイ的なもの」の定義付けを試みていて、そこにグラデーションが見られて、面白かった。おれたちの大好きなピア21のフードコートでも、ごく普通にフォーが売られている。おれはフォーはベトナムの料理かなと思っていたけど、ここタイでもローカルの人たちが食べている料理である。

ほかに『タイ人が何を信仰しているのか』の展示室では、『タイは仏教国だと言われているが、地方に住む人々は仏教のほかにも霊を信じている。そこには良い霊もいて、天人や神に類するものもいる。』という説明があった。また、『タイでは仏教やバラモン教が混じり合って存在している。』とのことであり、展示室にはヒンズー教の神様であるガネーシャも置いてあったし、とにかく色んな神様を大切にしているのだなと思っていたところ、

なんか可愛い
ガネーシャ

音声ガイドが「タイ人は他人が尊重するものを尊重する、他人が信じるものを信じるという性格です。タイ人って優しいと思いませんか?」と来館者に問いかけてきて、『それは主体性が無いと言うか、、、これを優しいと捉えていいものかどうかおれにはよく分からないけど、、、お人好しで牧歌的な感じがする。お前の信じる神はおれの信じる神とは違うから改宗すべし!!改宗しないのならばお前たちを滅ぼす!!!という発想よりはよほど良いな。タイ人の信仰スタイルの方が全然良いな!!!!』と思った。

概してとても面白い博物館だった。

自撮り用スタジオ。貸衣装もいくつか置いてある。無料で利用できる。

博物館の敷地内にMRT Sanam Chai駅があって、とても便利だ。駅は割と地下深くにあって、地下鉄大江戸線みたいだと思った。

ホテルのロビーのように立派な駅