バンコク旅行記10 仏前では長ズボンを履くと決めておけば蚊に刺されなかったものを。ワット・ポー

2022年8月17日(水曜)

朝ゆっくり起きて、近所のドイチャンコーヒーというカフェでパンケーキを食べた。

恋人は以前から、この店でクランベリースムージー(75THB)を飲むことを楽しみにしていたらしい。しかし、いざ念願のクランベリースムージーを飲んだ恋人は「酸っぱすぎて美味しくない」と言って残念がった。おれも試しに一口飲んでみたが、酸っぱくて美味しかった。味覚は感覚なので恋人の感じた酸っぱ度合いは計り知れないが、恋人もおれも”酸っぱい”と感じているのに、それが恋人のように「不味い」に落ち着くのか、おれのように「美味い」に落ち着くのかが分かれるのは、面白いし不思議だ。

ちなみに、おれはカフェラテ(65THB)を飲んだ。タイの飲み物は甘すぎて少し疲れしていたので、カフェラテのコーヒーの苦味が有り難く、美味しかった。パンケーキ(220THB/二人分)も美味しかったが、何せサイズが可愛らしく、感想を抱く前に完食してしまった。でも、食が進んだのであれば美味しかった証拠だろう。(合計360THB:1,405円:クレジットカード決済)

今日はバスに乗ってワット・ポーへ行くことにした。

バスに乗る前に、恋人が虫除けスプレーと痒み止めを買いに薬局に行きたいと言う。それらは日本から持ってきているし、宿まで徒歩3分くらいだから、新たに購入せずに取りに帰る事をおれは提案した。でも、面倒臭いか否かが行動基準である恋人は、取りに帰るのは面倒だから、薬局で買いたいと主張した。

おれのケチな性格と、恋人の面倒を嫌う性格は、いつも折り合わない。

結局、恋人が自分のお金でそれらを買うんだからおれがとやかく言う話ではないと思い、どうぞ買ってくださいとなった。

余談ではあるが、翌日以降は日本から持参した薬をおれも恋人も使ったため、恋人がこの日購入した薬たちはこの日にしか使われず、ほとんど未使用のまま日本に持ち帰ることになった。

さて、バス停でワット・ポー行きのバスを待つ間に恋人は虫除けスプレーを開封していたが、なんとその間に四ヶ所も蚊に刺されていた。そんなに蚊に狙われる体質ならば、虫除けスプレーを携帯していないとさぞかし不安であっただろう。ちなみに、その日おれは長ズボンを履いていたので、恋人のように蚊に足を集中的に狙われることはなかった。

何故この暑いバンコクでこの日長ズボンを履いていたかと言うと、『タイのお寺は肌を極端に露出した格好では参拝できない』からである。タイのお寺は外国人にとっての観光地である以前に、地元の人々の信仰の場所である。

事前情報でそれを知っていたおれは、昨夜恋人にも長ズボンを履くように勧めたのだが、お寺で長ズボンを貸してくれるからという理由で半ズボンを履いて来ていた。半ズボンであるが故に蚊に足を刺されまくっていたので、おれは痒い痒いと嘆く恋人を見て『仏前に参る際の心得がなっていないから、罰が当たったか』と意地悪な感想を抱いていた。

BTS Asok駅近くのKorean Town停留所からバスに乗り、乗換え無しでワットポーまで行くことができた。一人20THB(78円)だった。エアコンバスの車内は凍える程寒かったが、バンコクを車窓から眺めることができて楽しかった。ただ、セントラルワールドやサイアム・パラゴンの辺りは渋滞がひどく、とても時間が掛かった。

ワットポーは、外国人のみ拝観料が必要である。大人一人200THB(778円)だった。

恋人は半ズボンではあったが、膝小僧がギリギリ隠れる程度の丈であったためか、長ズボンの貸し出しはなく、来たままの格好で拝観可能となった。西洋から来たと思われる人が上下ともに服の貸し出しを受けていたが、上半身はタンクトップ、下半身は稲葉浩志さんばりのホットパンツであった。『人々の信仰の場に、そんな、あられもない格好をして。』とおれが眉をひそめても、おれの隣に立つ恋人も半ズボンである。タイの人から見れば、おれたちカップルも、不適当な格好をして来た外国人であろう。

涅槃仏は大きくて立派だった。

大量の小銭を20THB(78円)で買って、それらをお賽銭としてお堂の壁沿いに並べられた沢山の鉢に入れて歩く体験が楽しかった。お賽銭をあげているのに何か楽しい!となるので、これは良いアイデアだ。

楽しくお賽銭を鉢に入れていたら、恋人がしたり顔で「(あなたは知らないかもしれないが)これを、タクハチ、と呼びます。」と言ってマウントを取りにきたので、おれは「それを言うならタクハチじゃなく、タクハツだよ」と返す刀でマウントを取り返した。そして続けて「托鉢は僧侶が施しを受けるために鉢を持って各家を回ることだから、ここみたいに備え付けの鉢の場合は托鉢って言うのかな。どうなんだろう。どう思う?」とこれ見よがしにおれがペラペラと話し始めると、恋人は「嫌な人!!」と言って続きは聞いてくれなかった。

ワット・ポーの拝観チケットにはミネラルウォーターの引換券がついているので、涅槃仏の近くにある自動販売機にバーコードを読み取らせて水を受け取る。その近くに叩いても良い銅鑼が置いてあり、観光客に人気だった。

ワット・ポー近くのハーブ屋(薬局?)で足湯パックの四個セット(100THB:389円)を購入した。これは数年前、漫画家の瀧波ユカリ氏が入浴剤にすると良いとツイートしていたのを見て、是非とも購入したいと思っていたので、念願が叶った。

昼ご飯はthe GATEというカフェで食べた。

Sen Yai Pad See Eiew Mooという豚肉と太麺を炒めて醤油で味付けしたもの(100THB)がめちゃくちゃ美味しかった。あとイタリアンソーダ(シロップのソーダ割り)がどれも50THBだった。合計150THB(585円:クレジットカード決済)

昼食後、ワット・アルンに行くために船着場まで歩いている途中で小雨になったので、参拝を断念した。近くに魚河岸?があり、干物などがたくさん売られていた。