タスマニア旅行記04 WILDERNESS VILLAGEの敷地を散歩していてワラビーを発見した話。でもいちばんかわいいのはやっぱりウォンバットなのだとクレイドル・マウンテン国立公園で確信した話。

2023.04.06

朝7時に起きてコテージの周りを散策した。朝の散歩には「チュンチュン」という鳥のさえずりがよく似合う、というのは日本に限った話なのかも知れなくて、ここクレイドル・マウンテンでは朝っぱらから図体のデカイ鳥が「ギャーギャーー!」と大合唱しているのだから結構うるさい。この地では「朝チュン」なる漫画表現は成立しないのだろうな、その代わりに「朝ギャー」が成立するのかも知れないが「朝チュン」が持つあのエモくて甘酸っぱい独特のニュアンスを醸し出すことはできないだろうな、っていや待てよ、日本には明烏って言葉があるんだから、朝に聴く声がチュンだろうがギャーだろうがカァだろうが情緒ってもんは聴く側の感性が呼び起こすものなのかも知れないねぇなんてことを考えながら散歩をしていると、コテージ脇の茂みでワラビーを発見した

我々と目が合って硬直するワラビー

濡れたように光る目がくりっとしてかわいい。短い前脚で食べ物を持っている様もかわいい。このワラビーを見てふと『ウエストランドの井口君に似ているな』と思った。でも、ワラビーはかわいいと思うのに、ワラビーに似ていると思った井口君をかわいいとは思わない。不思議である。脳が両者を似ていると判定しているのだから井口君のこともかわいいと思っても良いようなものなのに。でもかわいいは頑張ったり努力して思うものではないので、井口君のことをかわいいと思うのは諦めよう。ちなみに恋人は「井口君には特に似てないんじゃない?」とのこと。

ところで、ワラビーをWikipediaで調べてみると「カンガルー科に属する動物のうち、カンガルーやワラルーよりも小さな種に対し、一般的に使われる名称である。特に明確な定義付けはなされていないものの、約30種いる。(中略)基本的な習性はカンガルーと同じである。」とある。要は、ワラビーは小さなカンガルーである。じゃあカンガルーは大きなワラビーとも言えるのだろうか。個体の大きさによって呼び名を変えるなんてイルカと一緒で面白いなと思った。ちなみに小さいクジラのことをイルカと呼ぶのだということを、瀧波ユカリ著「臨死!!江古田ちゃん」という漫画で知った。

なお、イルカをWikipediaで調べてみると「イルカ(海豚、鯆)は、哺乳類偶蹄目(鯨偶蹄目)に属する鯨類の内、小型の種の総称である。なお、イルカとクジラは分類学的には明確に区別されない。」とある。というかクジラって偶蹄目なの?偶蹄目ってことは牛の仲間ってこと?陸で暮らしていた牛っぽい動物が海に還っていってクジラになって今じゃ似てもに似つかないって、おれにはその牛から鯨への形態変化のグラデーションがうまく想像できない。

朝の散歩がてらレセプションの近くまで行ってみるとコインランドリーがあった。利用しなかったので料金は分からないが、硬貨での支払のみ。

キッチンカーはこんな感じ。
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今日もウォンバットを見に行こうということでクレイドル・マウンテン国立公園へ。ビジターセンターには10時に到着。今日はウォンバットの生息区域であるRONNY CREEKまでシャトルバスに乗り、そこでウォンバットを探しつつDove Lakeまでのハイキングコースを歩く予定である。ウォンバットは夜行性なのでこの時間帯では出会えないかも知れないと思っていたが

いた!
一生懸命に草を喰んでいてかわいい
ウォンバットが暮らす場所はこんなところ。小川が流れていて背の低い草木が生えている。

ところでこの国立公園は歩道が整備されていて

こんな感じ

公園ではみな歩道を歩くのだけど、この日はキャノン砲みたいなズームレンズ付きのカメラを持った男性が歩道から降りて野生のウォンバットに近寄り、食事中のウォンバットが驚いて走って逃げるという光景を目撃したのだけど、マジでこの男はどうかしているなと思った。この男性にこそ『推しの部屋の観葉植物になりたい』という日本人の奥ゆかしさを学んで欲しい。この美徳こそが日本が太鼓判を押して輸出できる誇るべき感性なのである。これこそがクールジャパンなのである。なのだろうか。と言うか、尊き存在を目の当たりにした時、自分がその対象を邪魔してはならないという感情が湧き出てこないのだろうか。とりあえず野生動物のテリトリーに侵入するんじゃない馬鹿者が、と思った。思ったのだが、このカメラくそデカ野生動物怖がらせ迷惑男にも何か理由があったのかも知れない。ひょっとすると公式カメラマンで、この国立公園のパンフレット用写真を撮っていたのかも知れない、と想像するなどした。それに、国立公園のルールに従って楽しんでいる我々だって、野生動植物からしてみたら迷惑な侵入者であることには変わりないわけで、、、己の業の深さに嫌気がしたところ、

ずんぐりして
ボテボテ歩くウォンバットを発見!かわいい!!

今はウォンバットを愛でる時。罪深き自分は一時棚上げである。

歩道ですれ違った白人のお婆さんが「あそこにウォンバットが居たよ。バイビー。バイビー」と言ってきたので『バイビー!?バブルの頃の日本語?』と不思議に思いつつお婆さんに「バイビー」と返したが、恋人が「aの発音がオーストラリア訛りなだけだよ」と教えてくれた。お婆さんが指差していた場所に近づくと、巣に駆け戻っていくバイビー(baby=赤ちゃん)ウォンバットを見ることができたし、巣穴の近くで微動だにしないずんぐりウォンバットも見ることができた。今日は気温も低く涼しかったので、ウォンバット達も午前中から巣穴を出て活動しているのかも知れない。かわいいウォンバットをたくさんみることができて大変幸せである。

ハイキングコース沿いの道端で色々な植物をみることができた。

南天の実に似ている。
松ぼっくり?
これは何だろう
小さい星が咲いている見たいできれい
恋人が草陰にじっと隠れているワラビーを発見した。耳を我々の方に向けて警戒している模様。

Dove Lakeには概ね看板通りの時間で到着した。RONNY CREEKから往復1.5時間という表示があり、ちゃんと片道45分程度で到着した。昨日と違って高低差があまりないルートだったので比較的楽だった。

Dove Lake。生憎の天気。

シャトルバスでビジターセンターに戻り、土産物売り場で買い物をしてWILDERNESS VILLAGEに戻った。この宿泊施設ではレセプション棟しかWi-Fiの電波が飛んでいないので、そこでポッドキャストやNetflixの番組をダウンロードしてコテージに帰った。

午後は雨が降ったり止んだりという天気だった。

WILDERNESS VILLAGEの入り口付近にある標識。

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