2023/10/09
冷たい雨の降る寒い日に、おれと恋人は新木場に向かった。ウエストランドを、というかウエストランド河本太のご尊顔を己の網膜に焼き付けるために「ぶちラジ！」の公開収録（YouTubeリンク）を見にいったのである。
開場時間ちょうどに会場に着くと、そこには既に長蛇の列ができていた。新米ソルジャーであるおれと恋人はウエストランドのファンがこんなに熱心な人々だとは想定していなかったので、開場時間前から並ぶ人がいるという事実に正直驚いた。
この長蛇の列は会場に入るための列ではなく物販用の列で、人々は濡れそぼりながらも熱心いグッズを買い求めていて、おれたちはぺパスタアクスタとぶちラジステッカーを購入したのだが、井口君の公式弟であるしびれグラムサム（公式）のヨシダ氏とツーショットチェキを撮れる権利を買っている人もいて、
『本気か？』
と思った。ただ、『どういう心境で購入しているの？』と思う反面、イベント参加の高揚感で刺激される購買欲や、イベント成功への自己献身欲については共感できるので、ヨシダ氏とのツーショット撮影権が売れることについては何ら不思議はない。と言うかそもそも、購入者がヨシダ氏のファンである可能性だってあることにはある。
ただおれは、ヨシダ氏よりもビル君と写真に収まりたい。
公開収録イベントは本当に楽しくて、ウエストランドがもっと好きになった。
以前より井口君は社会人として真っ当な大人だと思って見ているのだけれど、今回の収録でも『天気予報を見て当日の服装を選んでいる。今日は雨で寒いから長袖のヒートテックを着てきた。』という内容の至極真っ当な発言をしていたのだが、寒い雨の日に薄着で来たナチュラルに抜けている太との対比が浮き彫りになっていて面白かった。
ところで、おれは太の顔ファンである。
だけど井口君のおしゃべりの巧みさには本当に脱帽している。井口君のエンジンがかかってくると『次は何を言うんだろう、どう笑わせてくれるんだろう』という期待感から目線がついつい井口君に向かってしまう。太の顔を見にきたのに、太の顔を見ていたいのに、面白い井口君を目で追ってしまう。
でも、太も公開収録でテンションが上がっていたのか、張り切っていたのか何なのか、一生懸命にお話ししていた。うんこの話とか。一生懸命お喋りしている太を見ると『ほんと可愛いなぁ』と思うのだけれど、太単体では残念ながら別に面白くはないのである。でも井口君が太のお喋りを流したり、掬ったり、拡げたり、縮めたり、あの手この手で活かしてくれるので安心して見ていられるし聞いていられるし笑っていられる。
おれは太の顔ファンであり、井口君の才能ファンであり、ウエストランドの関係性ファンである。
井口君の行き過ぎたまともさと、太のピュアな能力不足が見事に調和している。そんな二人の掛け合いは編集なしのぶちラジ！スタイルにぴったりで面白い。
太の顔ファンから入ったウエストランドだけど、井口君が面白いおかげでまだまだファンを続けられそうだ。ウエストランド第3回単独ライブ『FANG!』も楽しみだ。
ところで、ぶちラジ！ネーム「ハービー・反国家」と語感が似ているからという理由で太が突然『Vフォー・ヴェンデッタ』と発言していたけど、太という人間がよく分からない。あの映画は公開時さほど流行らなかったはずだし、そもそも結構前の映画である。だからあの場でこの映画の名前を出してもぽかんとする人がほとんどだろう。それに、あの映画を見たし知っているおれからしても太の『語感が似ているからつい言っちゃったボケ』は別に面白くはない。
ただ、太は普段、そしてこれまで、どのような映画を見て、どのような本を読んで、さらにはどのような音楽を聴いてきた人間なのだろうという興味が、あの映画の作品名をポンっと出すことで一気に湧き上がった。
太は利発そうではないけれど、阿保には見えない。ボーッとしている様に見えるけど、静かに何かを考えている様に見える。太の瞳はここにはない何処かの景色を見ている気がする。また、寡黙そうに見えて緊張しない空間でのお喋りは好きそうである。何だか掴みどころがないのだ。
太がタバコを燻らしている時、何を考えているのだろう。ウエストランド河本太の顔ファンだけれど、顔以外にも興味が湧いてきた。
そんな話を恋人にしたら「太は他人から勧められたものをとりあえず何でも見るタイプなだけじゃない？」と言っていた。
、、、そうかも。
勧めたものを何でも見てくれる素直な後輩って、先輩からすると可愛いもんな。
後輩としての太がかわいいのって、太が虹の黄昏Tシャツを着ていたり、高校の先輩が経営している旅館のTシャツ着たりするところにも表れている。
太ってかわいいよな。
