牛乳は美味しい

おれは牛乳が好きで

恋人は牛乳が嫌い。

だから、我が家で牛乳を飲むのはおれだけ。

 

おれが飲み終えた牛乳パックをシンクに置いていたら、

恋人がそれを手に取り、

「牛乳が少し残ってる!汚い!」と言った。

 

これまで何度も感情を抑えながら

「そんなことを言うものじゃない」と嗜めていたが、

この日は頭にきたので

「汚くないよ」と感情的に言った。

 

牛乳は汚いものではない。

それに、食べ物や飲み物に

『汚い』

という表現を使うのが前から許せなかった。

 

恋人が「怒ったの?」

と聞いてきたので、

おれは「当たり前だ。

前から何度も言っているけど牛乳は汚くない。

まずくもない。

それに、

他人が美味しいと言って口にしているものを

その人の前で不味いと否定するのは

ものすごく失礼な振る舞いだよ。」と伝えた。

 

恋人はしょんぼりして

いつもはやらない洗い物をしていた。

 

しょげているのを見せたくなかったのか

「洗い物が終わったよ!えっへん」

と報告してきたので、

「洗い物ができて偉かったね」

と伝えた。