
毎朝森永アロエヨーグルトを食べている。
恋人による銘柄指定だ。
恋人はいつも、
美味しいおいしいと言って食べている。
確かに美味しいと、
おれも思う。
昨日は別メーカーのアロエヨーグルトを食卓に出したが、
恋人は文句を言わずに食べていた。
もしかして、そんなにこだわっていないのかも知れない。
今朝も昨日と同じヨーグルトを出したところ、
それを見た恋人は不満を言った。
これは森永アロエヨーグルトではない、と。
おれが「美味しくないから嫌なのか」と尋ねると、
恋人は「食べていないから味のことは分からない」と答えた。
『昨日既に、食べたけど』
おれが「昨日の朝もそれだよ。
森永アロエヨーグルトとそれ、
分かんない程度の味の差なら、
森永のより安いから明日からそれで良い?」と聞くと、
恋人は「森永の方が断然美味しい。
数十円高い程度なら、
これからも森永アロエヨーグルトが食べたい」と言う。
朝食後、
おれが食器を洗っているそばをウロウロしながら、
恋人が「今朝のヨーグルトは不味かった。
すごく不味かった。」と言うので、
おれは「明日以降も森永アロエヨーグルトが食べたい、
という意思表示だって分かるけど、
その発言はスーパーで買ってきたおれに対して失礼だし、
森永アロエヨーグルトを優位に立たせる目的で
今朝のヨーグルトを不要に貶める発言はいただけない。」と言うと、
恋人は「じゃあ今後は自分が買いに行く」と言う。
おれは「今必要なのは代替案の提示ではなく、
これまで買物に行ってくれていたおれに対する感謝と、
買って来てくれた物を不味いと言った事に対する謝罪じゃないのか。」
と伝えたところ、
恋人は「ありがとう」と「ごめんなさい」を言った。